ワールドコイン(World Network)は、OpenAI創設者サム・アルトマン氏が2019年に設立した暗号資産プロジェクトです。虹彩スキャンデバイス「Orb」で個人認証を行い、AI時代の「人間証明」とユニバーサル・ベーシック・インカムの実現を目指しています。
本記事では、ワールドコインの概要に加え、ワールドコインをもらう方法(World IDの取得手順)から、受け取ったWLDトークンの売却・購入までの具体的な手順をわかりやすく解説します。
⚡ ワールドコイン(WLD)、この記事でわかること
- ワールドコインとは・仕組み
サム・アルトマン氏が設立したAI時代の「人間証明」プロジェクト。Orbによる虹彩認証でWorld IDを発行し、UBIの実現を目指す。 - WLDのもらい方(Orb認証手順)
日本全国221箇所(2026年2月時点)に設置されたOrbで虹彩スキャン。現在83WLDの受け取りが可能で、認証完了時に約半数、残りは12ヶ月分割で配布。 - WLDの売却・買い方
WLDは国内取引所に未上場。売却はMetaMask→Uniswap→国内取引所の流れ。購入はUniswapでETH経由でスワップ。 - リスクと注意点
データプライバシー・中央集権化・各国規制リスクなど。ZKP・オープンソース化で対策が進む。
目次
専用デバイス「Orb」
ワールドコイン(Worldcoin、World Network)は、2019年にOpenAI共同創業者のサム・アルトマン氏らによって設立された暗号資産プロジェクトです。専用デバイス「Orb」による虹彩認証で一人ひとつの「World ID」を発行し、グローバル規模でのデジタルアイデンティティ確立と、年齢・性別・職業・所得水準に関係なく「人間であること」だけを条件に給付が行われるユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)の実現を目指しています。
主要情報
- 創業者:サム・アルトマン氏(OpenAI共同創業者)ら
- 運営:Worldcoin Foundation(独立財団)が主体、Tools for Humanity(TFH)が開発・運用を支援
- 資金調達額:3.75億ドル
- ユーザー実績:160か国以上で1,700万人超がWorld IDを認証(2026年2月時点)
- トークン配布:7億3,700万WLD以上
- Orb設置数:47カ国・1,003箇所
提携・活用事例
- 日本:ナナメウエ「Yay!」で不正アカウント防止に活用
- マッチングアプリ:Tinder(Match Group)でWorld IDを使った年齢・本人認証を試験導入
- 金融インフラ:Visaと連携し、暗号資産で支払い可能な「World Card」構想を推進中
さらに2026年1月にはOpenAIが独自のSNSの開発を行っており、ワールドの「Orb」やAppleのFace IDを使用する可能性があることが報じられており、World IDのさらなる活用が期待されています。
関連:オープンAIが生体認証型SNSを開発中、ワールドオーブ利用検討か
ワールドコインのアプリなど
出典:Worldcoin
- Proof of personhood(PoP):シビル攻撃やAI生成コンテンツによる偽装IDの普及を防ぐ仕組み
- World ID:個人の独自性と人間性をオンラインで証明するオープンIDプロトコル
- World Coin Token(WLD):WorldIDに対し無料で配布されるデジタル通貨。イーサリアム・ブロックチェーンで流通
- World App:World IDに対応。WLDの受け取りや、送金や取引が可能。その機能全てを利用するには虹彩認証が必須
- World Chain:イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーン
仮想通貨WLDの主要データ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 通貨コード | WLD |
| 価格 | 0.273ドル(約42円) |
| 時価総額・順位 | 約9.3億ドル(62位) |
| 過去最高値 | 2024年3月:約9.84ドル(約1,450円) |
| 市場流通量 | 約34億WLD |
| 総供給量 | 100億WLD |
チャート出典:TradingView
ワールドコインは、2つの認証方法でそれぞれWLDを取得することが可能です。それぞれの認証方法で別々にWLDが付与されるため、両方の認証を完了することでより多くのWLDを受け取ることができます。
Orb認証(虹彩スキャン)
専用デバイス「Orb」による虹彩スキャン。日本全国221箇所(2026年2月時点)のカフェやエステサロンなどで認証可能。
本人確認認証
パスポートまたはマイナンバーカードによる本人確認。Orb認証と本人確認認証の違い、およびマイナンバーカードを用いた手順については、「ワールドコインの本人認証方法」をご覧ください。
Orb認証による取得手順
出典:World App
- Orb設置箇所を見つける:公式サイト(worldcoin.org)からWorld Appをダウンロードし、「Orbを探す」から位置情報で最寄りの設置場所を確認。予約の要否や対応時間を事前に確認してから来店してください。
- アイリススキャン:専用デバイス(Orb)を介して虹彩スキャンを受け、固有のWorld IDを取得します。
- デジタルIDとトークンの受け取り:アプリでグラント(給付金)としてWLDを受け取ります。
出典:World App
ワールドコインを売却するには、まずWorldアプリからメタマスクに送金し、ETHに変換。その後、国内取引所へ送金することで日本円に換えることが可能です。
出典:World App
- 画像の手順に従い、World AppからMetaMaskへWLDを送金します。自身のMetaMaskアドレスを入力し、送金を完了してください。(安全のため、少額のテスト送金を推奨します)
- Uniswapでワールドチェーンを選択し、WLDをETHへ変換します。詳しい手順はWLDの買い方セクションのUniswap手順をご参照ください。
- ETHを国内取引所対応のチェーンに移動し、国内取引所に出金することで日本円への換金が完了です。
WLDは、現時点で国内取引所には上場していませんが、分散型取引所(DEX)での売買が可能です。
- CoinMarketCapで取引量の大きいDEXを探す
- ウォレット(MetaMask)を準備・国内取引所からETHを移す
- UniswapでWLDをスワップする
① CoinMarketCapで取引量の大きいDEXを探す
WLDを購入するために、最も取引量の大きいDEXを探すことから始めます。スリッページ(実際の取引価格が予想よりも変動する現象)を最小限に抑えることができます。
- CoinMarketCapの公式サイトにアクセスし、検索窓にWLDを入力します。
- 「市場」→「DEX」タブを選択。さまざまな分散型取引所が一覧表示されます。
- 各DEXの24時間の取引量を確認。Uniswapの「WLD/WETH」ペアで流動性が高いことを確認します。
出典:Coinmarketcap
② ウォレットを準備・国内取引所からETHを移す
メタマスク(MetaMask)は、イーサリアムを含む複数のブロックチェーンに対応している暗号資産用ウォレットです。
関連:メタマスク・ウォレット開設方法
関連:取引所「SBIVCトレード」からメタマスクへの預入方法
③ UniswapでのWLD購入手順
出典:ユニスワップ
- ウォレット接続:ユニスワップ公式サイトで「Launch App」をクリック→「Connect Wallet」からMetaMaskを選択して接続します。
- トークン交換:「Sell」でETH、「Buy」でWLDを選択します(売却する場合は逆)。交換数量を入力して「スワップ」をクリックし、MetaMaskで取引を承認して完了です。
ユニスワップの詳しい使い方については、Uniswap(ユニスワップ)の使い方をご覧ください。
ワールドコインは、その革新的なデジタルIDシステムと暗号通貨で注目を集めていますが、実験的な取り組みであるがゆえに各国で議論の的となっています。
データプライバシーのリスク
虹彩データの取り扱い
ワールドコインはユーザーの虹彩データを収集してデジタルIDを生成しますが、このデータの取り扱い方法についてプライバシー保護の観点から懸念が存在します。ただし、スキャンされた虹彩データは暗号化・ハッシュ化され、生体データはデバイス内で処理されて外部には流出しません。またセキュアマルチパーティ計算(SMPC)やゼロ知識証明(ZKP)などの暗号技術でデータのプライバシーを保護しています。
中央集権化のリスクと対策
Orbデバイスへの依存
データを収集するための生体認証デバイス「Orb(オーブ)」に対して、中央集権化の問題が指摘されています。イーサリアムの創設者ヴィタリック・ブテリン氏も「Orbに秘密のバックドアがないかどうかを検証するのは難しい」と述べています。これに対し、ワールドコインはOrbデバイスの設計とソースコードをオープンソース化し、分散型検証ネットワークを導入することで対応しています。
倫理的リスク
新興市場でのデータ収集
ワールドコインの初期のユーザー獲得方法、特に規制の弱い新興市場でのデータ収集手法には倫理的な懸念が持ち上がりました。これに対しワールドコインはインフォームドコンセントを強化し、データ収集と利用の目的・リスクについて詳細に説明するプロセスを確立しています。
各国の規制リスクと対応
ワールドコインは、世界各国の規制当局からのデータ・プライバシーと保護に関する調査に直面する中で、2024年3月に「ワールドコインに関する基本事実」を公開。利用可能なすべての地域で合法的に運営しており、データ収集とデータ転送を管理するすべての法律および規制に完全に準拠していると強調しました。
ワールドコインが遵守していると強調する各国の法律や規制(出典:Worldcoin)
これらの課題にもかかわらず、ワールドコインはユーザー基盤を拡大し続けており、2024年5月にはコロンビアに拠点を設立。ケニアでは2023年に一時停止されたOrb活動が、規制当局との協議を経て再開されています。
最後にワールドコインに関するよくある質問と回答を掲載します。
-
Q ワールドコイン(WLD)とは何ですか? ▼OpenAI共同創業者サム・アルトマン氏らが2019年に設立した暗号資産プロジェクトです。専用デバイス「Orb」による虹彩認証で「World ID」を発行し、AI時代の「人間証明」とUBIの実現を目指しています。160か国以上で1,700万人超がWorld IDを認証済みです(2026年2月時点)。
-
Q WLDトークンはどうやってもらえますか? ▼Orb認証(虹彩スキャン)またはパスポート・マイナンバーカードによる本人確認認証で取得可能です。両方を完了するとより多くのWLDを受け取れます。2026年1月時点では合計83WLDの受け取りが可能で、認証完了時に約半数が付与され、残りは12ヶ月間にわたり毎月分割で配布されます。
-
Q WLDを日本円で売却するには? ▼WorldアプリからMetaMaskへWLDを送金→UniswapでETHへスワップ→ETHを国内取引所に送金・売却して日本円に換金する流れです。ワールドチェーン上の取引にはガス代(ETH)が必要なため、事前にETHを用意しておく必要があります。
-
Q Orbは日本のどこにありますか? ▼日本全国221箇所(2026年2月時点)にOrbが設置されており、カフェやエステサロンなどで虹彩認証を受けられます。World App内の「Orbを探す」機能から位置情報を使って最寄りの設置場所を確認できます。設置場所によって予約の要否や対応時間帯が異なるため、事前に確認してから来店することを推奨します。
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Q WLDは国内取引所で購入できますか? ▼2026年2月時点では、WLDは国内取引所に上場していません。購入する場合はDEXのUniswapを利用します。まず国内取引所でETHを購入し、MetaMaskに送金後、UniswapでWLDにスワップします。スワップ前にスリッページ設定とガス代を必ず確認してください。
-
Q ワールドコインの虹彩データは安全ですか? ▼虹彩データは暗号化・ハッシュ化され、生体データはデバイス内で処理されて外部には流出しない設計です。ゼロ知識証明(ZKP)やSMPCなどの暗号技術でプライバシーを保護し、Orbのソースコードはオープンソースで公開されています。ただし各国の規制当局から調査を受けた事例もあり、引き続き動向を注視することが重要です。
以上がワールドコインの特徴と取得・売却・購入方法の解説でした。AI時代の「人間証明」という独自のコンセプトと、サム・アルトマン氏のブランド力を背景に、世界規模での普及が進んでいます。
- 人間証明(Proof of Personhood)の先駆者:Orbによる虹彩認証で160か国・1,700万人超が認証済み。AI時代のデジタルID基盤として独自のポジションを確立
- WLDのもらい方:日本全国221箇所(2026年2月時点)のOrbで虹彩認証。現時点で合計83WLD受け取り可能
- WLDの売却・購入はDEX経由:国内取引所に未上場のため、MetaMask+Uniswapを使ったDEX取引が必要。ETHの準備が事前に必要
- プライバシーリスクへの対策:ゼロ知識証明(ZKP)・オープンソース化で対応。各国規制への準拠も強調
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