はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

3メガバンクが語る、AI活用とステーブルコインの展望|MoneyX2026

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

3メガバンクが語る金融の未来

次世代金融カンファレンス「MoneyX」では27日、「3メガバンクが語る金融の未来」と題したパネルセッションが開催された。

三井住友・みずほ・三菱UFJの3メガバンクグループからデジタル戦略の責任者が登壇し、AI活用の現在地からブロックチェーン・ステーブルコインが銀行ビジネスをどう変えるかまで、幅広い議論が展開された。

金融庁監督局銀行第一課長の三浦知宏氏がモデレーターを務め、以下の三名がパネリストとして登壇した。

  • 磯和啓雄氏(三井住友フィナンシャルグループ 執行役専務・グループCDIO)
  • 上ノ山信宏氏(みずほフィナンシャルグループ 執行役常務・グループCDO)
  • 野呂崇享氏(三菱UFJフィナンシャル・グループ 執行役員 法人デジタル戦略部長兼デジタル戦略統括部部長)

3メガバンクのAI戦略、SMBCは500億円を投下

三浦氏がAI活用の展望を問いかけると、各行から具体的な取り組みが報告された。

三井住友FGの磯和氏は、2024年10月に4年半分の予算として500億円をAI投資に充て、部門横断で誰でも予算を取りに来られる「CDIOミーティング」を毎月開催してきたことを明かした。1年間で約70件に予算を付け、「AI中島社長」のような社内向けAIアバターの開発やOlive(オリーブ)のコールセンターのAI化などを推進。

現在は200人規模の部門横断チームを組成し、優先順位の整理と「AI-Ready」なデータ基盤の構築に着手していると述べた。AI導入における課題として「自分の仕事が楽になるところまでは積極的にやるが、仕事が無くなると感じ始めるとケチをつけ始める。心の問題が結構大きい」と率直に語った。

みずほFGの上ノ山氏は、来期からCDOの肩書に「T(トランスフォーメーション)」を加えCDTOに変更することを明かし、AI・データマネジメント・ブロックチェーンや量子コンピューターを研究する「情報数理工学研究所」・CVC投資の4領域を管掌していると紹介した。バブル世代の大量退職が約5年に迫る中、「オペレーショナルモデルを本当に変えてこないと、今のビジネスすら維持できるのか」という大きな危機感を示した。

一方、コンタクトセンターの入り口にAIを導入した実験では、顧客の多様な問い合わせに対応する難しさが見えてきたと報告し、顧客接点でのAI活用は「少しずつチャレンジしていく」姿勢を示した。

ステーブルコインが変える銀行ビジネスとAI時代の法的課題

三菱UFJFGの野呂氏は、ステーブルコインを銀行ビジネスの文脈で整理した。銀行が「金融サービス業」から「金融インフラサービス業」へトランスフォーメーションする中で、ステーブルコインは極めて重要なアセットだと位置づけた。具体的には、預金の流出を守る手段、KYC(本人確認)・AML(マネーロンダリング防止)などのノウハウを新たなレイヤーとして提供する保証機能、信託受益権型のスキームによるバランスシートの効率活用、そしてRWA(実世界資産)を通じた新たな投資機会の創出を挙げた。

一方で、QRコード決済の台頭を「みすみす見逃してきた大きな反省」と振り返り、足元で3メガバンクがステーブルコインの規格統一に向けて金融庁とともに取り組んでいることを明らかにした。「次世代の決済インフラであり、社会の構造改革の中に金融が一助となり得る入り口に立っている」と述べた。

磯和氏は、JPYCのトランザクションの約95%がAIエージェントによるものだと紹介し、「AIが主に使うお金がステーブルコインで、人間が主に使うものが現金という時代が来る可能性がある」と指摘。AIエージェント同士の取引における法的整理や、AI間の詐欺被害への対応など、既存の法制度では想定されていない課題が山積していると問題提起した。

金融機関の社会的責務とテクノロジーの可能性

上ノ山氏は、テクノロジー起点でユースケースを探す議論では「お客様が不在になってしまう危険がある」と警鐘を鳴らした。金融機関の根源的価値は仲介機能と信用創造にあるとし、「貯蓄から投資へ」の流れの中でも産業育成や社会の福利のために金融機関が果たすべき役割を常に考える必要があると語った。

野呂氏はまた、2年前にはステーブルコインの社会実装に確信が持てなかったと率直に振り返った上で、「ブロックチェーンの弱さをAIが補完する関係が出てきた」ことで状況が大きく変わったと指摘。「脳みそがAI、手足がトークン。この補完関係によって活用の余地が劇的に変わる」と述べ、金融機関は「金融インフラサービス業」としてレイヤー構造の中に組み込まれていく時代がすぐそこまで来ているとの見方を示した。

▼MoneyXとは

MoneyXは、ステーブルコインの正式認可が切り拓く「通貨の新時代」をテーマとした次世代金融カンファレンス。国内外から金融業界の有識者、大手金融事業者、スタートアップ、投資家、規制当局が集結し、技術革新・制度設計・社会実装をめぐる議論を展開する。参加登録は無料・承認制。日本最大のWeb3カンファレンス「WebX」を主催するWebX実行委員会が主催し、JPYC、Progmat、SBIホールディングス、CoinPostが企画・運営に携わる。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/31 日曜日
11:30
ビットコイン停戦延長報道で下げ渋り、米株動向と中東情勢が焦点に|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)対円が1230万円台から1160万円台へ軟化。米・イラン軍事衝突が重石となるなか、停戦60日延長の報道で下げ渋り。米株ETFへの資金流入とトランプ氏の停戦承認が目先の焦点。
09:25
週刊仮想通貨ニュース(5/29)|クラリティー法審議・スペースX・テスラ合併憶測・HYPE上昇の最新動向まとめ
今週は、米クラリティー法の審議の動向、スペースX・テスラ合併の場合の仮想通貨ビットコイン保有数、ハイパーリキッド上昇の要因分析に関する記事が関心を集めた。
05/30 土曜日
13:45
ルミス米議員「今国会を逃せば次は2030年」、クラリティー法案成立促す
米上院のルミス議員は5月30日、仮想通貨市場構造法「クラリティー法」の今国会での成立を逃せば次の立法機会は2030年になると警告した。JPモルガンCEOのダイモン氏は現行案に反対を表明。
13:25
スイ、ユーザー取引を一時停止 三日連続で断続的なネットワーク障害
仮想通貨スイ(SUI)のメインネットが5月30日、エポック移行処理の失敗によりユーザー取引を停止した。v1.72リリースを起点とする障害が3日連続で発生し、バリデーターが修正を実装して復旧した。
10:25
ストラテジー、48億円相当のビットコインをコインベースへ送金 目的は不明
ビットコイン保有企業最大手ストラテジーが約400枚のビットコインをコインベースへ送金し、売却やウォレットシャッフルする可能性が浮上。セイラー会長の発言など最新動向を解説。
10:10
FBI、詐欺拠点摘発で1.2兆円相当の仮想通貨を押収 米政府史上最高額
FBIはアジア・中東に展開する詐欺拠点の一斉摘発で127000BTC超を押収した。カンボジア企業CEOの逮捕など約300人を拘束し、米政府史上最高額の没収となった。
08:30
CFTCがビットコイン無期限先物を解禁、米国機関投資家のオフショア依存に終止符
米CFTCは29日、KalshiEXのビットコイン無期限先物(BTCPERP)を先物契約として承認した。CoinbaseもDeribit経由の仮想通貨デリバティブ提供でノーアクションレターを取得し米国内でのパーペチュアル取引が正式に解禁された。
08:00
Base、Azulアップグレードをメインネットで実施
仮想通貨取引所コインベース支援のイーサリアムL2のBaseは、アップグレードBase Azulをメインネットで実行したことを発表。処理速度や安全性が向上した。
07:30
米財務省、イラン関連仮想通貨の押収累計額が1600億円相当に
米財務省ベッセント長官は、イラン政権に関連する仮想通貨の押収総額が約10億ドルに達したと明らかにした。4月末時点の約5億ドルから倍増しており、ウォレットを直接差し押さえた事例もある。
06:55
NYSE親会社ICE「ハイパーリキッドと相互学習中」 ナスダックより大規模と評価
米インターコンチネンタル取引所(ICE)のスプレッチャーCEOが、Hyperliquidと双方向で協議中と明かした。規制対象取引所での24時間無期限先物提供を認めるよう当局に求めている。
06:15
JPモルガンのダイモンCEO、「銀行界はクラリティー法案を拒否」と明言
JPモルガンCEOジェイミー・ダイモン氏が5月29日のフォックスビジネス出演でクラリティー法の現行案を批判し銀行は受け入れないと発言。上院では複数の優先案件が競合しており、投資銀行TDコーウェンは8月前の成立を困難とみている。
05:00
ステーブルコイン発行企業PaxosがSEC清算機関に登録、仮想通貨関連企業として米国初
Paxosの子会社PSSCが米SECより清算機関として正式登録を受け、仮想通貨関連企業として唯一の中央証券保管機関に認定された。2019年から続く規制当局との7年越しの協議が実を結んだ。
05/29 金曜日
16:14
NTTドコモビジネス、Carbontribe Labsと水資源データアセットの投資活用で共同検討
NTTドコモビジネスとCarbontribe Labsが水資源データアセットの投資活用に向けた共同検討を開始。AIとブロックチェーンで構造化した水資源データを投資判断に接続、2027年前半の商用化を目指す。
15:14
ツルハHDら9社、DCJPYで企業間決済自動化の実証実験が成功
ディーカレットDCPが事務局を務めるデジタル通貨フォーラムが、ツルハHD・イオンスマートテクノロジーら計9社と実施した実証実験の結果を公表。流通業界の標準EDI規格「流通BMS」の受発注データからDCJPYによる支払い・照合までをワンストップで処理し、数人月分の業務削減効果を確認した。
13:50
グレースケール・リサーチがハイパーリキッドを高評価、「デジタル資産分野の傑出した成功事例」
グレースケール・リサーチは最新レポートで、ハイパーリキッドを「現代のデジタル資産業界における傑出した成功事例」と高く評価した。2025年に約2.9兆ドルの永久先物取引高を記録した同プラットフォームが急成長した5つの要因とHYPEトークンの経済モデル、今後の展望とリスクを解説する。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧