はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

イラン交渉決裂、石油・ビットコイン・世界市場に再びボラティリティ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 原油高止まり・ビットコイン急落で投資家は警戒モード
  • ホルムズ海峡の通航制限とインフレリスクの最新動向

イラン紛争は、当初の緊張激化よりも市場が値付けしにくい局面へと移行している。最初のショックでは原油が100ドルを超え、インフレ期待が高まり、リスク資産全般で売りが広がった。現在の局面はそれとは異なる。脆弱な停戦、交渉の決裂、そして期待の急変によって特徴づけられている。

4月8日、米国とイランの間で土壇場の停戦合意が一時的に相場の方向を変えた。供給途絶への懸念が和らぐ中、原油価格は急落し、株式は反発、仮想通貨(暗号資産)は数時間以内に急騰した。

しかしその動きは続かなかった。4月11日、イスラマバードでの高官級協議は約21時間に及ぶ交渉の末に合意なく終了し、不透明感が再び前面に出てきた。市場は再び反応し、先の動きの一部を巻き戻して慎重姿勢に戻った。

停戦の条件として、イランは世界の石油供給の大部分を担うホルムズ海峡での船舶通航を認めることが求められた。しかし数時間以内に懸念が浮上した。イスラエル当局は同合意がレバノンでの作戦には適用されないと表明し、イラン当局は米国が条件に違反していると非難した。停戦は維持されているものの、当初の2週間を超えた延長は確認されていない。

これにより市場は明確な結末を織り込むのではなく、各動向に反応する状況が続いている。停戦は目先の圧力を緩和したが、より広範な合意の欠如が不透明感を高止まりさせている。

関連記事:イラン、ホルムズ海峡の通航料にビットコイン要求か ギャラクシー研究責任者が真偽を分析

ギャラクシーのリサーチ責任者がイランのホルムズ海峡BTC通航料報道を分析。情報の矛盾点と技術的疑問を整理しつつ、オンチェーン検証を進めていることを明らかにした。

ビットコインはヘッドラインに敏感に反応

ビットコイン(BTC)は4月7日から11日の期間、大半の資産よりも素早く心理変化を捉えた。価格の動きは株式やその他のリスク資産と同様のパターンをたどった。

4月7日、停戦発表を受けてビットコインは約72,700ドルまで上昇。1日で約5%上昇し、先物市場では約6億ドルの清算が発生した。清算の大部分は、緊張激化の局面で積み上がっていた売りポジションによるものだった。

同じ時期にイーサリアム(ETH)は2,200ドル台に上昇し、ソラナ(SOL)とXRPは5~8%の上昇を記録。この上昇は原油下落とインフレ懸念の後退を受けた株式の広範な反発と軌を一にしていた。

4月10日までビットコインは72,000ドル台を維持し、市場はイスラマバード協議の結果を待った。ただしポジションは慎重なまま。建玉は減少し、資金調達コストはほぼ中立水準にとどまった。オプション市場では投資家が上値エクスポージャーを取りつつ下値ヘッジも追加している様子がみられた。

4月11日に協議が決裂すると、ビットコインは71,600ドル方向に反落。他の主要資産も発表後に下落した。不透明感が戻る中、市場全般で再び慎重姿勢へのシフトが反映された結果だ。

ビットコインはこの期間、68,000~72,700ドルのレンジで推移した。価格の動きは原油価格・インフレ期待・政策シグナルに連動している。

出典:Coinpost Terminal

関連記事:米イラン停戦合意でビットコイン・イーサリアム急騰、短期的な抵抗線は?=クリプトクアント

米イラン停戦により仮想通貨ビットコイン、イーサリアム両方が急騰した。クリプトクアントは強気継続した場合の短期の上値抵抗線を分析している。

原油は高止まり、ホルムズの流通は依然正常化せず

停戦発表後、原油価格は急落したのち以前の水準を上回る水準で安定した。トレーダーは供給環境の変化予想に基づいてポジションを調整した。

ブレント原油は4月8日に約13%下落して94.75ドルとなり、米国産原油は1セッションで16%超の下落を記録。これは2020年以来最大の日次下落となった。もっとも、紛争前の70ドル前後と比べれば依然大幅高であり、地政学リスクが引き続き市場に織り込まれていることを示している。

出典:Investing.com

ホルムズ海峡での船舶通航は正常水準に戻っていない。4月8日の通過船舶数は通常の1日の交通量と比べて限定的にとどまった。

イランは同航路へのアクセスに直接影響する新たな通航条件を導入した。当局はタンカー運航者に対し、1隻あたり最大200万ドルに上る手数料の支払いを求めており、支払いは中国人民元、ビットコイン、またはステーブルコインで受け付けられる。この仕組みにより、海峡は完全な開放航路ではなく管理されたアクセス経路となっている。

供給環境が正常化していないため、原油価格は高止まりが続いている。停戦発表と実際の船舶通航状況のギャップが、エネルギー市場の主要な変動要因となっている。

交渉停滞とインフレリスク上昇を受け、市場は先行きを注視

市場は現在、4月11日の交渉決裂後の状況がどう展開するかに注目している。価格の方向性は原油の流通、インフレデータ、そして中央銀行の対応次第だ。

米インフレデータによると、3月のCPI総合指数は前月比0.9%上昇し、紛争に関連したエネルギーコストの上昇が主因となった。コアCPIは0.2%増にとどまり、基調的な物価上昇圧力は相対的に安定していることを示した。この2つの指標の乖離が金融政策への期待を形成している。

日本はこれらの変化に最も明確な反応を示した国の一つだ。4月8日に日経平均は前日比2,878円高(約5.4%上昇)の56,308円で引け、史上有数の上昇幅を記録した。同セッションで円は対ドルで158円前後で推移した。

日本の影響はホルムズ海峡を通じた輸入エネルギーへの依存度と直結している。原油安は株式に即座の恩恵をもたらす一方、原油高は経済と通貨への圧力を高める。現在の環境はその構造を変えていない。

国内データも不確実性に拍車をかけている。日本の消費者信頼感指数は3月に33.3まで低下し、2025年5月以来の最低水準を記録した。現在の環境での引き締め政策に対する懸念をエコノミストは示している。

市場は最近、4月の日銀利上げを高確率で織り込んでいた。しかし不透明感の高まりとともに4月利上げの見方は割れており、6月以降への先送りを見込む声もある。投資家は4月27・28日の会合を注視しているが、判断は中東情勢の展開次第という側面が強い。

船舶通航が改善し原油価格が80〜90ドルのレンジに向かえば、インフレ圧力は緩和されリスク資産への流動性が支援材料となりうる。一方、アクセス制限が続き原油が再び100ドルを超えれば、インフレリスクは高止まりしFRBの緩和が遅れる展開となる。

関連記事:イラン紛争が揺さぶる世界の金融市場、原油・ビットコイン・金利の行方

イラン紛争で原油が115ドルまで急騰し、ビットコインは6.5万ドルに下落。FRBの利下げ先送りや円安加速など、投資家が今注目すべき市場の焦点を解説する。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/31 日曜日
11:30
ビットコイン停戦延長報道で下げ渋り、米株動向と中東情勢が焦点に|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)対円が1230万円台から1160万円台へ軟化。米・イラン軍事衝突が重石となるなか、停戦60日延長の報道で下げ渋り。米株ETFへの資金流入とトランプ氏の停戦承認が目先の焦点。
09:25
週刊仮想通貨ニュース(5/29)|クラリティー法審議・スペースX・テスラ合併憶測・HYPE上昇の最新動向まとめ
今週は、米クラリティー法の審議の動向、スペースX・テスラ合併の場合の仮想通貨ビットコイン保有数、ハイパーリキッド上昇の要因分析に関する記事が関心を集めた。
05/30 土曜日
13:45
ルミス米議員「今国会を逃せば次は2030年」、クラリティー法案成立促す
米上院のルミス議員は5月30日、仮想通貨市場構造法「クラリティー法」の今国会での成立を逃せば次の立法機会は2030年になると警告した。JPモルガンCEOのダイモン氏は現行案に反対を表明。
13:25
スイ、ユーザー取引を一時停止 三日連続で断続的なネットワーク障害
仮想通貨スイ(SUI)のメインネットが5月30日、エポック移行処理の失敗によりユーザー取引を停止した。v1.72リリースを起点とする障害が3日連続で発生し、バリデーターが修正を実装して復旧した。
10:25
ストラテジー、48億円相当のビットコインをコインベースへ送金 目的は不明
ビットコイン保有企業最大手ストラテジーが約400枚のビットコインをコインベースへ送金し、売却やウォレットシャッフルする可能性が浮上。セイラー会長の発言など最新動向を解説。
10:10
FBI、詐欺拠点摘発で1.2兆円相当の仮想通貨を押収 米政府史上最高額
FBIはアジア・中東に展開する詐欺拠点の一斉摘発で127000BTC超を押収した。カンボジア企業CEOの逮捕など約300人を拘束し、米政府史上最高額の没収となった。
08:30
CFTCがビットコイン無期限先物を解禁、米国機関投資家のオフショア依存に終止符
米CFTCは29日、KalshiEXのビットコイン無期限先物(BTCPERP)を先物契約として承認した。CoinbaseもDeribit経由の仮想通貨デリバティブ提供でノーアクションレターを取得し米国内でのパーペチュアル取引が正式に解禁された。
08:00
Base、Azulアップグレードをメインネットで実施
仮想通貨取引所コインベース支援のイーサリアムL2のBaseは、アップグレードBase Azulをメインネットで実行したことを発表。処理速度や安全性が向上した。
07:30
米財務省、イラン関連仮想通貨の押収累計額が1600億円相当に
米財務省ベッセント長官は、イラン政権に関連する仮想通貨の押収総額が約10億ドルに達したと明らかにした。4月末時点の約5億ドルから倍増しており、ウォレットを直接差し押さえた事例もある。
06:55
NYSE親会社ICE「ハイパーリキッドと相互学習中」 ナスダックより大規模と評価
米インターコンチネンタル取引所(ICE)のスプレッチャーCEOが、Hyperliquidと双方向で協議中と明かした。規制対象取引所での24時間無期限先物提供を認めるよう当局に求めている。
06:15
JPモルガンのダイモンCEO、「銀行界はクラリティー法案を拒否」と明言
JPモルガンCEOジェイミー・ダイモン氏が5月29日のフォックスビジネス出演でクラリティー法の現行案を批判し銀行は受け入れないと発言。上院では複数の優先案件が競合しており、投資銀行TDコーウェンは8月前の成立を困難とみている。
05:00
ステーブルコイン発行企業PaxosがSEC清算機関に登録、仮想通貨関連企業として米国初
Paxosの子会社PSSCが米SECより清算機関として正式登録を受け、仮想通貨関連企業として唯一の中央証券保管機関に認定された。2019年から続く規制当局との7年越しの協議が実を結んだ。
05/29 金曜日
16:14
NTTドコモビジネス、Carbontribe Labsと水資源データアセットの投資活用で共同検討
NTTドコモビジネスとCarbontribe Labsが水資源データアセットの投資活用に向けた共同検討を開始。AIとブロックチェーンで構造化した水資源データを投資判断に接続、2027年前半の商用化を目指す。
15:14
ツルハHDら9社、DCJPYで企業間決済自動化の実証実験が成功
ディーカレットDCPが事務局を務めるデジタル通貨フォーラムが、ツルハHD・イオンスマートテクノロジーら計9社と実施した実証実験の結果を公表。流通業界の標準EDI規格「流通BMS」の受発注データからDCJPYによる支払い・照合までをワンストップで処理し、数人月分の業務削減効果を確認した。
13:50
グレースケール・リサーチがハイパーリキッドを高評価、「デジタル資産分野の傑出した成功事例」
グレースケール・リサーチは最新レポートで、ハイパーリキッドを「現代のデジタル資産業界における傑出した成功事例」と高く評価した。2025年に約2.9兆ドルの永久先物取引高を記録した同プラットフォームが急成長した5つの要因とHYPEトークンの経済モデル、今後の展望とリスクを解説する。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧